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HIV併存疾患

2019年11月7日
デジタルパンフレット

HIV併存疾患

監修:兵庫医科大学 血液内科 講師 日笠聡先生

HIV感染症は長期療養の時代となり、患者さんの高齢化や併存疾患に留意してケアを考えることが求められるようになっています。患者さんは、HIV感染それ自体によって慢性的な炎症状態にあり、非感染者より老化が進んでいることがいくつかの研究で示されています1-3。また、いくつかの疫学データによって、HIV感染患者は非感染者と比較して併存疾患のリスクが高いことが示されています4-6。 本ページでは、そうした研究の一例として、ゲイあるいはバイセクシャル集団におけるHIV陽性者の併存疾患のリスクとして、オーストラリアの研究を紹介しています。年齢、喫煙状況、BMIで調整後のオッズ比で見ると、HIV陽性者では陰性者と比較して糖尿病、血栓症、神経障害等のリスクが有意に高いことが示されています4。 日本エイズ学会『HIV感染症「治療の手引き」』でも、HIV感染者の長期合併症の予防・管理が重要であることに加え、薬物相互作用を考慮したARTの選択・変更が必要であると記載されています7。 今後、患者さんの長期的な健康状態の維持を考慮して、長期合併症のリスクの小さい抗HIV薬、薬物相互作用の少ない抗HIV薬が求められます。

1. Deeks SG, et al.: Immunity 2013; 39: 633.
2. Rickabaugh TM, et al.: PLoS One 2015; 10(3): e0119201.
3. Gross AM, et al.: Mol Cell 2016; 62: 157.
4. Pepoumenos K, et al.: PLoS One 2017; 12(9): e0184583.
5. Schouten J, et al.: Clin Infect Dis 2014; 59: 1787.
6. Smit M, et al.: PLoS One 2017; 12 (10): e0186638.
7. 日本エイズ学会 HIV感染症治療委員会『HIV感染症「治療の手引き」』第22版、2018年11月発行

HIV感染症と長期合併症(日本エイズ学会:HIV感染症「治療の手引き」)

HIV感染者は非感染者と比較し、合併症有病率が高いことが明らかとなっており、HIV感染者は非感染者より10歳以上老化が早いと考えられる。しかし、抗HIV療法(ART)の進歩によりHIV感染者の平均余命は延長し、中高年の患者数は増加している。合併症有病率は年齢とともに高くなることから、HIV感染者の長期合併症の予防・管理は、今後さらに重要性を増していくと考えられる。

日本エイズ学会 HIV感染症治療委員会『HIV感染症「治療の手引き」』第22版、2018年11月発行、36頁

高齢の感染者に対する注意(日本エイズ学会:HIV感染症「治療の手引き」)

高齢者では抗HIV薬に加えて生活習慣病等の薬剤を服用している例も少なくないので、併用薬をチェックし、それらとの相互作用にも留意したARTの選択や変更と、副作用発現にも十分注意してARTを行う必要がある。

日本エイズ学会 HIV感染症治療委員会『HIV感染症「治療の手引き」』第22版、2018年11月発行、30頁

55歳以上のゲイあるいはバイセクシャルの集団におけるHIV陽性者と非陽性者の併存疾患のリスク(海外データ)

目的 55歳以上のゲイあるいはバイセクシャルのHIV陽性者の併存疾患とそのリスクファクターを同じ属性のHIV非陽性者と比較する。
対象 オーストラリア在住の55歳以上のゲイあるいはバイセクシャルのHIV陽性者228名およびHIV非陽性者218名。
方法 オーストラリアのHIV観察データベース上の医療機関で参加者を募集し、併存疾患やその治療に関する質問を含むライフスタイルおよび行動に関して参加者自身が記入する質問票(主にオンライン)および医療機関の医療記録を収集した。
主な結果 年齢、喫煙状況、BMIで調整後のオッズ比でみると、HIV陽性者では糖尿病(調整済OR:1.97, p=0.038)、血栓症(調整済OR:3.08, p=0.007)、神経障害(調整済OR:34.6, p<0.001)等のリスクが有意に高かった。

●患者報告による併存疾患のオッズ比(HIV陽性者 vs. HIV非陽性者)

Pepoumenos K, et al.: PLoS One 2017; 12(9): e0184583.
https://creativecommons.org/licenses/by/4.0/
本試験はギリアド・サイエンシズ社より支援を受けています。


監修:兵庫医科大学 血液内科 講師 日笠聡先生

CD4数>500/mm3のHIV感染症患者における早期ART開始の意義を検討したSTART試験では、3年間の追跡により、早期ART開始群で重篤なAIDS関連イベントが有意に減少しただけでなく、心血管疾患、末期腎不全、肝疾患、非AIDS指標がんを含む重篤な非AIDS関連イベントも有意に減少することが示されました(下図)1

この研究はCD4数にかかわらずARTを早期に開始することのベネフィットの根拠となっていますが、早期ART開始群では、ARTによってウイルス抑制にとどまらない免疫機能などへの影響がもたらされ、非AIDS関連疾患のリスクが低下する可能性も示唆されます2。他の研究においても、HIV感染症患者において、免疫活性や炎症マーカーの上昇が心血管イベントの発症に関連することが示されています3,4

これらを踏まえ、患者さんの加齢と、HIV感染とARTによる長期的な影響を考慮して、患者さんの生涯にわたる健康維持を支えられる治療を目指すべきと考えます。

1. Lundgren JD, et al.: N Engl J Med 2015; 373: 795.
2. Nordell AD, et al.: J Am Heart Assoc 2014; 3: e000844.
3. Tien PC, et al.: J Acquir Immune Defic Syndr 2010; 55: 316.
4. US Department of Health and Human Sciences (DHHS). Guidelines for the use of antiretroviral agents in
adults and adolescents living with HIV. May 2018.
Available from: https://aidsinfo.nih.gov/guidelines.
Accessed December 2018.

抗HIV治療の早期開始群および治療待機群における重篤なAIDS関連イベントあるいは重篤な非AIDS関連イベント(死亡を含む)の累積発生率(Kaplan-Meier法)(海外データ)

目的 無症候性のHIV感染症患者における抗HIV治療の早期開始の有用性とリスクを評価する。
対象 AIDS発症および抗HIV治療の経験のないCD4数>500/mm3の18歳以上のHIV感染症患者4,685名(35ヵ国)。
方法 対象を、即時に抗HIV治療を開始する早期開始群と、CD4数が350/mm3未満あるいはAIDS発症まで治療開始を行わない治療待機群に割り付け、重篤なAIDS関連イベントまたは重篤な非AIDS関連イベントまたは死亡(主要エンドポイント)の発生を比較する。
主な結果 3年の追跡期間において、主要エンドポイントの発生は早期開始群で1.8%(42/2,326例)、治療待機群で4.1%(96/2,359例)であり、早期開始群で有意に低い結果であった(HR:0.43、95%CI:0.30-0.62、p<0.001)。

Copyright ©2015 Massachusetts Medical Society.
All rights reserved.
Translated with permission.


HIVと精神障害・睡眠障害

HIV陽性者と一般集団における精神障害と睡眠障害の有病率

●HIV感染者の併存疾患としての精神障害および睡眠障害の有病率に関するシステマティックレビュー (Embase、MEDLINE、Cochraneにて検索した2000年以降の1,809件の臨床研究をもとにスクリーニングを行い、英国で実施された16件を抽出した)(海外データ)

大うつ病 27~47%(英国の平均有病率 2~5%)
不安障害 22~49%(英国の平均有病率 4~5%)
睡眠障害 61%(英国の平均有病率 10%)
自殺念慮 31%(英国の平均有病率 1%)

Chaponda M, et al.: Int J STD AIDS 2018; 29(7): 704.
本研究はギリアド・サイエンシズ社より支援を受けています。

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