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ベクルリー点滴静注用 日本の入院患者情報「COVID-19 Registry Japan(COVIREGI-JP)」より        

日本の入院患者情報「COVID-19 Registry Japan(COVIREGI-JP)」より

Tsuzuki S, et al.: Int J Infect Dis. 2022 May;118:119-125. doi:10.1016/j.ijid.2022.02.039.

監修:国立国際医療研究センター 国際感染症センター応用疫学研究室医長 都築慎也先生

試験概要

目的 感染初期における酸素吸入を必要としないCOVID-19患者、特に酸素吸入療法や薬物療法を開始する前の段階におけるベクルリーの有効性を検討するために本研究を実施した。
対象 COVIREGI-JPの症例として登録された全患者のうち、日本人成人コホートにおけるベクルリーの有効性を評価するため、外国人及び18歳未満の症例を除外した。また、入院中にすでに酸素吸入が開始されていた重症例や症状発現から4日以上経過している症例を除外し、12,487例を対象に感染初期におけるベクルリーの有効性を検討した。
方法 日本の入院COVID-19患者を登録した「COVID-19 Registry Japan」を用い、酸素吸入を必要としないCOVID-19の感染初期におけるベクルリーの有効性を検討した。酸素吸入を必要としない患者における2つのレジメン(レジメン1:入院後4日以内にベクルリーを投与 vs. レジメン2:入院中にベクルリーを投与しない)を3段階処理(クローニング、除外、重み付け)法により比較検討した結果、ベクルリーの有効性が確認された。
主要評価項目 入院30日以内の酸素吸入
副次評価項目 入院30日以内の院内死亡リスクとIMV/ECMO導入のリスク

*COVID-19患者のうち、入院した症例を悉皆的に登録するレジストリ研究(観察研究、略称:COVIREGI-JP)。
※観察研究では、治療期間の影響を定量化することが困難なため、無作為化試験のような単純比較は難しい。このような治療期間の差によるバイアス(本研究では入院後の除外による時間的バイアス)を排除するため、この研究では3ステップ法という方法が用いられている1,2

1.Tsuzuki S, et al.: Int J Infect Dis. 2022 May;118:119-125. doi:10.1016/j.ijid.2022.02.039.
2.Hernán MA. et al. BMJ. 2018 Feb 1;360:k182. doi: 10.1136/bmj.k182.

試験のサマリー

  • 主要評価項目
    レジメン1(入院後4日以内にベクルリーを投与)は、レジメン2(入院中にベクルリーを投与しない)と比較して、入院30日以内の酸素吸入が必要となるリスクが低いことを示した(HR:0.850、95% CI:0.798~0.906)。
  • 副次評価項目
    30日院内死亡率、IMV/ECMO導入リスクともに、2つのレジメンの間に有意差はなかった(ハザード比:1.04[95%CI:0.980~1.09]及び0.983[95%CI:0.906~1.07])。
  • 安全性
    ベクルリー治療の安全性については、824例中92例(11.2%)に有害事象が報告され、そのうち24例(26.1%)がベクルリーとの関連性が高いと判断され、26例(28.3%)が治療を中断した.また、肝機能障害または肝酵素上昇が45例(48.9%)、腎機能障害が10例(10.9%)、悪心・嘔吐が3例(3.3%)、発疹が4例(4.3%)にみられた。なお、有害事象による後遺症は認められなかった。
  • 結論
    ベクルリーは、COVID-19の初期段階において、入院中の酸素吸入が必要となるリスクを低減する可能性があるが、臨床転帰及びIMV/ECMOの必要量の低減には効果がなかった。
  • 制限事項
    本研究は、RCT(ランダム化比較試験)ではなくレトロスペクティブ・コホート研究である。臨床結果に影響を与える様々な因子の調整を試みたが、多数の交絡因子をすべて調整できたわけではない。時間依存因子や不死時間バイアスを調整することができたが、NEWS(早期警戒スコア)以外の時間依存変数を含めることはできなかった。さらに、本研究データはレジストリシステムに基づいているため、いくつかの項目の解釈が困難である。例えば、本研究における「死亡」は、患者が30日間の観察期間中、すなわち入院中に死亡したことを意味するが、退院後に死亡した患者も存在すると考えられるが、そのような症例も本研究では「生存」扱いとなる。また、死因は登録データから知ることができず、悪性腫瘍などの基礎疾患がありこれが原因で死亡した症例も存在した可能性がある。さらに、COVIREGI-JPでは、各患者の日々の臨床状態についての情報は収集されていない。ベクルリーの有害事象は入力者の判断で報告されているため、過少報告になっている可能性がある。

Tsuzuki S, et al.: Int J Infect Dis. 2022 May;118:119-125. doi:10.1016/j.ijid.2022.02.039.

ガイドラインの重症度分類と臨床試験における順序尺度

  • 『新型コロナウイルス感染症 COVID-19 診療の手引き』における重症度分類とCOVIREGI-JP観察研究における対象患者は下記のとおりです。
  • COVIREGI-JP観察研究では、酸素吸入を必要としない入院患者を対象としています。

1.令和4年度厚生労働行政推進調査事業費補助金 新興・再興感染症及び予防接種政策推進研究事業 一類感染症等の患者発生時に備えた臨床的対応に関する研究 新型コロナウイルス感染症 COVID-19 診療の手引き 第8.0版. 2022年7月22日発行。 https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000121431_00111.html(2022年7月27日閲覧)
2. NIH COVID-19 Treatments Guidelines Last Updated: February 24, 2022. https://www.covid19treatmentguidelines.nih.gov/therapeutic-management/ (2021年7月27日閲覧)
3. Beigel JH, et al.: N Engl J Med 2020; 383: 1813-26. 本論文の著者の一部はギリアド・サイエンシズ社の社員です。
4. Kalil AC, et al.: N Engl J Med 2021; 384(9): 795-807. 本論文の著者の一部はギリアド・サイエンシズ社の社員です。著者にギリアド・サイエンシズ社より支援を受けている者が含まれます。
5. Spinner CD, et al.: JAMA 2020; 324(11): 1048-1057. 本試験はギリアド・サイエンシズ社より支援を受けています。著者にギリアド・サイエンシズ社より支援を受けている者が含まれます。
6. Goldman JD, et al.: N Engl J Med 2020; 383: 1827-37. 本試験はギリアド・サイエンシズ社より支援を受けています。著者の一部はギリアド・サイエンシズ社の社員です。
7. Tsuzuki S, et al.: Int J Infect Dis. 2022 May;118:119-125. doi:10.1016/j.ijid.2022.02.039.

除外/退院の逆確率重み付けをした患者背景

連続変数は平均値(標準偏差)を表示。カテゴリー変数はパーセンテージで表示
NEWS:National Early Warning Score(早期警戒スコア)
IMV/ECMO:侵襲的人工呼吸/体外式膜酸素療法
*酸素吸入の適応は各医師の判断による

Tsuzuki S, et al.: Int J Infect Dis. 2022 May;118:119-125. doi:10.1016/j.ijid.2022.02.039.

入院30日以内の酸素吸入(主要評価項目)と入院30日以内の院内死亡リスクとIMV/ECMO開始のリスク(副次評価項目)

  • レジメン1(入院後4日以内にベクルリーを投与)は、レジメン2(入院中にベクルリーを投与しない)に比べて酸素吸入が必要となるリスクが低い(調整ハザード比:0.850、95%CI:0.798~0.906)ことが示された。しかし、30日死亡リスク及びIMV/ECMO開始リスクは、両群で差がなかった(調整ハザード比:1.04、95%CI:0.980~1.09、調整ハザード比:0.983、95%CI:0.906~1.07)。

CI:信頼区間、IMV/ECMO:侵襲的人工呼吸/体外式膜酸素療法
ロジスティック回帰分析

Tsuzuki S, et al.: Int J Infect Dis. 2022 May;118:119-125. doi:10.1016/j.ijid.2022.02.039.

ベクルリーによる治療中の有害事象

  • ベクルリー治療の安全性については、824例中92例(11.2%)に有害事象が報告され、そのうち24例(26.1%)がベクルリーとの関連性が高いと判断され、26例(28.3%)が治療を中断した.また、肝機能障害または肝酵素上昇が45例(48.9%)、腎機能障害が10例(10.9%)、悪心・嘔吐が3例(3.3%)、発疹が4例(4.3%)にみられた。なお、有害事象による後遺症は認められなかった。

*分母はベクルリーを投与した総症例数(n=824)
軽度:治療を必要としない、または症状を呈さない有害事象、中等度:非侵襲的な治療を必要とする有害事象、重度:侵襲的な治療を必要とする重要な有害事象

Tsuzuki S, et al.: Int J Infect Dis. 2022 May;118:119-125. doi:10.1016/j.ijid.2022.02.039.

COVID-19感染初期における酸素吸入を必要としない患者へのベクルリーの有効性と安全性

監修:国立国際医療研究センター 国際感染症センター応用疫学研究室医長 都築慎也先生

  • 抗ウイルス治療はなるべく感染初期のウイルス複製期に治療導入をすることが望ましいとされています。
  • 本研究では、感染初期にベクルリーを投与することにより、主要評価項目である「入院中に酸素吸入を必要とするリスク」が有意に減少したことから(調整ハザード比:0.850、95%CI:0.798~0.906、 P<0.001、3ステップ法で時間依存性因子を調整した後のロジスティック回帰分析)、感染初期にベクルリーを投与することは、酸素吸入を必要とするリスクを減少させ、医療システムの負担を軽減する上で有用と考えられました。
  • 一方で、副次評価項目の入院中の死亡率及びIMV/ECMOの導入率については、ベクルリー投与群と対照群で有意差を認めず、安全性については、ベクルリー投与例の11.2%で有害事象が確認され、そのうち26.1%で本剤投与との高い関連性が示唆されました。
  • COVID-19の疫学に基づくと、酸素吸入を必要としないCOVID-19患者は自然経過でも過半数以上が回復することもあり、全死亡率及びIMV/ECMOの導入率のようなハードエンドポイントの検討を行う上では、今回の研究では不十分だった可能性があります。
  • 本研究は、RCTではなくレジストリを元にした後向きコホート研究であり、いくつかの重要な制限がある点を考慮し、得られた結果について慎重に検討する必要があります。

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