肥満(BMI 30以上)
米国の800以上の病院のCOVID-19入院患者54万人を対象にした横断調査において、BMI≧30の肥満はCOVID-19による死亡を30%増加させることが示され(95%信頼区間:27-33%) 、COVID-19による死亡の危険因子であることが明らかになっています1)。(海外データ)
COVID-19で入院した基礎疾患別の死亡/IMV/ICU入院の調製済みリスク比(成人)
Premier Healthcare Database Special COVID-19 Release (PHD-SR)より
(2020年3月-2021年3月)
*:最も頻度の高い18項目の基礎疾患(参考:基礎疾患なし)、年齢層、性別、人種/民族、支払者タイプ、病院の都市性、病院の米国国勢調査地域、入院月、入院月の2乗を含む、単一の一般化線形モデル(ポワソン分布と対数リンク関数)の結果を含む。
**:基礎疾患(参考:基礎疾患なし)、年齢層、性別、人種/民族、支払者タイプ、病院の都市性、病院の米国国勢調査地域、入院月、入院月の2乗のみを含む18の一般線形モデル(ポアソン分布と対数リンク関数)の結果を含む。 ICUまたは侵襲的人工呼吸器を使用せずに死亡した患者は、ICUまたは侵襲的人工呼吸器をアウトカムとするモデルを推定する際にそれぞれサンプルから除外された。
1)Kompaniyets L et al. Prev Chronic Dis. 2021 Jul 1;18:E66. doi: 10.5888/pcd18.210123.より抜粋
また、24の後ろ向きコホート研究によるメタアナリシスによると、肥満患者ではICU入院は1.21倍(95%信頼区間:1.002-1.46) 、侵襲的人工呼吸(IMV)は2.05倍(95%信頼区間:1.16-3.64)上昇し、また、BMIが高い患者ほどIMVのリスクが高くなることが明らかになりました2)。(海外データ)
COVIREGI-JPの報告では、入院時に非重症でも入院後に酸素投与又は人工呼吸/ECMO管理を要することになった割合は、基礎疾患なしの患者で11.9%であったのに比べて肥満がある患者では35.8%と高くなりました3)。
入院時に非重症であった患者における呼吸管理の経過
3)Terada M et al. BMJ Open. 2021 Jun 15;11(6):e047007. doi: 10.1136/bmjopen-2020-047007.より作図
これらの研究からわかるように肥満は主要な重症化リスク因子の一つであり、BMIの上昇に伴って重症化する可能性が高いと考えられます。
1)Kompaniyets L et al. Prev Chronic Dis. 2021 Jul 1;18:E66. doi: 10.5888/pcd18.210123.
2)Földi M et al. Obes Rev. 2020 Oct;21(10):e13095. doi: 10.1111/obr.13095. Epub 2020 Jul 19.
3)Terada M et al. BMJ Open. 2021 Jun 15;11(6):e047007. doi: 10.1136/bmjopen-2020-047007.