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イエスカルタ®点滴静注 Logo 一次治療後に再発又は難治性の大細胞型B細胞リンパ腫患者を対象とした海外第III相試験

二次治療としての有用性を検討した試験

ZUMA-7試験1,2)(海外データ)

試験概要

目的
  •  主 目 的:盲検下中央画像評価機関の判定に基づく無イベント生存期間(event-free survival:EFS)を指標として、イエスカルタの標準治療に対する優越性を検証する。
  • 副次目的:盲検下中央画像評価機関の判定に基づく客観的奏効率(objective response rate:ORR)、全生存期間(overall survival:OS)、治験責任医師の判定に基づく無増悪生存期間(progression-free survival:PFS)、盲検下中央画像評価機関の判定に基づく奏効期間(duration of response:DOR)を指標として、イエスカルタの有効性を標準治療と比較検討する。イエスカルタの安全性を標準治療と比較検討する。
試験デザイン 多施設共同、無作為化、非盲検、第III相試験
対象 一次治療後に再発又は難治性のびまん性大細胞型B細胞リンパ腫(diffuse large B-cell lymphoma:DLBCL)非特定型(not otherwise specified:NOS)、MYC及びBCL2BCL6の両方か一方の再構成の有無を問わない高悪性度B細胞リンパ腫(high grade B-cell lymphoma:HGBCL)、濾胞性リンパ腫(follicular lymphoma:FL)から生じたDLBCL、T細胞/組織球豊富型大細胞型B細胞リンパ腫(large B-cell lymphoma:LBCL)、慢性炎症関連DLBCL、原発性皮膚DLBCL・下肢型、Epstein Barrウイルス(Epstein-Barr virus:EBV)陽性DLBCL患者 359例(イエスカルタ群 180例、標準治療群 179例)
  •   内訳: [イエスカルタ群]FAS:180例、安全性解析対象(イエスカルタ投与例):170例
    [標準治療群]FAS:179例、安全性解析対象(1回以上の救援化学療法実施例):168例
  • 診断は2016年WHO分類3)に基づく。

試験方法 イエスカルタ群では、白血球アフェレーシス、ブリッジング療法(治験責任医師が必要と判断した場合)、リンパ球除去化学療法を実施し、次いでイエスカルタを投与した。
ブリッジング療法は、白血球アフェレーシスからイエスカルタの投与5日前まで、任意の副腎皮質ステロイド(例:デキサメタゾン20~40mg又は相当量を1日1回1~4日間経口又は静脈内投与)を治験責任医師の判断で投与できることとした。リンパ球除去化学療法としては、イエスカルタ投与日の5日前から3日間、シクロホスファミド500mg/m2/日及びフルダラビン30mg/m2/日を投与した。
イエスカルタは、抗CD19キメラ抗原受容体(chimeric antigen receptor:CAR)T細胞2×106個/kgを目安に単回静脈内投与した。最小目標投与量は抗CD19 CAR T細胞として1×106個/kgであった。体重が100kgを超える患者には、最大固定用量2×108個を投与した。標準治療群では、R-ICE(リツキシマブ、イホスファミド、カルボプラチン、及びエトポシド)、R-ESHAP(リツキシマブ、エトポシド、メチルプレドニゾロン、シタラビン、及びシスプラチン)、R-GDP(リツキシマブ、ゲムシタビン、デキサメタゾン、及びシスプラチン/カルボプラチン)、R-DHAP又はR-DHAX(リツキシマブ、デキサメタゾン、高用量シタラビン、及びシスプラチン/オキサリプラチン*1)のいずれかの白金製剤をベースにした救援化学療法を1サイクル2~3週間隔で2又は3サイクル実施し、奏効した患者には自家造血幹細胞移植(autologous stem cell transplant:ASCT)併用大量化学療法(high-dose therapy:HDT)を施行した。ASCT併用HDTは、地域及び実施医療機関の基準に従って実施した。
評価項目 【主要評価項目】
  • 盲検下中央画像評価機関の判定に基づくEFS(検証的な解析項目)
【副次評価項目】
  • 重要な副次評価項目:盲検下中央画像評価機関の判定に基づくORR、OS
  • その他の副次評価項目:治験責任医師の判定に基づくPFS、盲検下中央画像評価機関の判定に基づくDOR、有害事象の発現率 等

なお、治療反応性の評価は、International Working Group(IWG)の2014年Lugano分類4)に従って実施した。

解析計画

試験全体で有意水準を片側2.5%(OSの中間解析は片側0.004)に設定し、有効性の主要評価項目及び重要な副次評価項目の解析には、階層的検定手順を用いた。主解析では、最初にEFSを検定した。次に、EFSの統計学的に有意な改善を条件として、ORRを検定した。さらに、EFS及びORRの統計学的に有意な改善を条件として、OSを検定した。EFSの検定では無作為化因子[スクリーニング評価時の一次治療反応性(一次治療抵抗性、一次治療から6ヵ月以内の再発、又は一次治療から6ヵ月超12ヵ月以内の再発)及びsecond-line age-adjusted International Prognostic Index(sAAIPI:0~1又は2~3)]で層別したLog-rank検定を実施し、統計学的に有意であった場合に、標準治療に対するイエスカルタの優越性が検証されるとした。ORRの検定では無作為化因子で層別したCochran-Mantel-Haenszel検定を実施した。OSの検定では無作為化因子で層別したLog-rank検定を実施した。EFS、OSでは、層別Cox回帰モデルを用いて、標準治療群に対するイエスカルタ群のハザード比(hazard ratio:HR)の推定値及び両側95%CIを算出した。ORRでは、群間差の95%CIをWilsonスコア法(連続性の修正あり)を用いて算出した。PFS、DORの解析はEFSと同様の方法で実施した。また、ベースラインの人口統計学的特性及び疾患特性に基づき、一次治療反応性、sAAIPI、疾患の内訳、分子学的サブグループ、double hit*2、triple hit*3もしくはdouble expressor*4の有無、ECOG Performance Status、年齢、性別、地域、及び人種/民族によるサブグループ解析を行った(データカットオフ日:2021年3月18日) 。

試験全体で有意水準を片側2.5%に設定し、EFS、ORR、OSの順で階層的検定を実施した。OSの主解析では両側0.0498に設定した*5。解析は事前規定のイベント数が観察された時点、もしくは事前規定の観察期間に到達した時点で行った。EFS主解析以降のEFSは治験責任医師評価に基づき評価した(データカットオフ日:2023年1月25日) 。

無作為化から9ヵ月時点(データカットオフ日:2021年3月18日)の結果を示します。
最初の無作為化日から5年後時点(データカットオフ日:2023年1月25日)の結果はこちらに示します。

  • *1:

    国内において大細胞型B細胞リンパ腫の適応を有さない。

  • *2:

    MYC及びBCL2又はBCL6の再構成を有する。

  • *3:

    MYC及びBCL2及びBCL6の再構成を有する。

  • *4:

    MYC及びBCL2蛋白を過剰発現。

  • *5:

    プロトコールでは片側検定で計画されていたが、論文化に伴い論文(N Engl J Med)の投稿規定に準じて両側検定に変更した。

1) 承認時評価資料:海外第Ⅲ相試験(ZUMA-7試験)
2) Westin JR, et al.: N Engl J Med 389(2), 148-157, 2023
本試験はKite社の支援を受けている。著者の中にKite社から雇用を受けている者、アドバイザリーボード料を受けている者などが含まれる。

割り付け後の治療経過

患者背景

イエスカルタ群
(N=180)
標準治療群
(N=179)
年齢(歳)
平均値
(標準偏差)
57.1(12.0) 57.4(12.2)
中央値
(最小値, 最大値)
58.0(21, 80) 60.0(26, 81)
年齢層、例(%)
65歳以上 51(28.3) 58(32.4)
性別、例
男性/女性 110/70 127/52
ECOG Performance Status、例(%)
0 95(52.8) 100(55.9)
1 85(47.2) 79(44.1)
一次治療に対する最良効果、例(%)
CR<完全奏効> 46(25.6) 47(26.3)
PR<部分奏効> 60(33.3) 62(34.6)
SD<安定> 11(6.1) 11(6.1)
PD<進行> 63(35.0) 59(33.0)
無作為化時の一次治療反応性(IxRS)、例(%)
一次治療抵抗性 133(73.9) 131(73.2)
一次治療から6ヵ月以内の再発 9(5.0) 9(5.0)
一次治療から6ヵ月超12ヵ月以内の再発 38(21.1) 39(21.8)
sAAIPIトータルスコア(IxRS)、例(%)
0-1 98(54.4) 100(55.9)
2-3 82(45.6) 79(44.1)
イエスカルタ群
(N=180)
標準治療群
(N=179)
疾患の内訳(治験責任医師による判定)、例(%)
DLBCL NOS 110(61.1) 116(64.8)
T細胞/組織球豊富型LBCL 5(2.8) 6(3.4)
EBV陽性DLBCL 2(1.1) 0(0.0)
FLから生じたDLBCL 19(10.6) 27(15.1)
MYC及びBCL2BCL6の両方か一方の再構成の有無を問わないHGBCL 43(23.9) 27(15.1)
原発性皮膚DLBCL・下肢型 1(0.6) 0(0.0)
その他 0(0.0) 3(1.7)
病期、例(%)
I 10(5.6) 6(3.4)
II 31(17.2) 27(15.1)
III 35(19.4) 33(18.4)
IV 104(57.8) 113(63.1)
CD19の状態、例(%)
陽性 144(80.0) 134(74.9)
陰性 13(7.2) 12(6.7)
欠測 23(12.8) 33(18.4)
症状、病変の状態、例(%)
B症状あり 21(11.7) 29(16.2)
脾臓病変あり 19(10.6) 33(18.4)
節外病変あり 103(57.2) 120(67.0)
Bulky diseaseあり 13(7.2) 16(8.9)
骨髄病変あり 17(9.4) 15(8.4)

標準治療群179例中、ASCT併用HDTの施行例は64例(35.8%)であった。

IxRS(Interactive Voice/Web (x) Response System)、CR(complete response):完全奏効、PR(partial response):部分奏効、SD(stable disease):安定、PD(progressive disease):進行

【使用上の注意】(一部抜粋)
5. 高齢者への適用

高齢者では一般に生理機能が低下しているので、患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。

有効性

盲検下中央画像評価機関の判定に基づくEFS【主要評価項目・主解析】

無作為化から9ヵ月時点の盲検下中央画像評価機関の判定に基づくEFSの中央値は、標準治療群に比較してイエスカルタ群で有意に長いことが示され、標準治療に対するイエスカルタの優越性が検証されました(P<0.0001、層別Log-rank検定)。

*:検証的解析。

盲検下中央画像評価機関の判定に基づくORR【重要な副次評価項目・主解析】 

無作為化から9ヵ月時点の盲検下中央画像評価機関の判定に基づくORRは、標準治療群と比較してイエスカルタ群で有意に高いことが示されました(P<0.0001、Cochran-Mantel-Haenszel検定)。

治験責任医師の判定に基づくPFS【その他の副次評価項目】

無作為化から9ヵ月時点の治験責任医師の判定に基づくPFSの中央値は、イエスカルタ群で14.7ヵ月、標準治療群で3.7ヵ月でした(P<0.0001、層別Log-rank検定)。

NE(not estimable):推定不能
*:名目上のP値。

盲検下中央画像評価機関の判定に基づくDOR【その他の副次評価項目】 

無作為化から9ヵ月時点の盲検下中央画像評価機関の判定に基づくDORの中央値は、イエスカルタ群で26.9ヵ月、標準治療群で8.9ヵ月でした(P=0.0695、層別Log-rank検定)。

NE(not estimable):推定不能
*:名目上のP値。

ベースライン特性別の盲検下中央画像評価機関の判定に基づくEFS【サブグループ解析】

GCB(germinal center B-cell)、ABC(activated B-cell)

安全性

副作用【その他の副次評価項目】

無作為化から9ヵ月時点の副作用はイエスカルタ群では170例中163例(95.9%)、標準治療群では168例中160例(95.2%)に認められました。主な副作用は、イエスカルタ群では発熱157例(92.4%)、低血圧70例(41.2%)、頭痛及び洞性頻脈各51例(30.0%)等、標準治療群では悪心108例(64.3%)、貧血83例(49.4%)、疲労80例(47.6%)等でした。
本試験において副作用による死亡はイエスカルタ群で1例(B型肝炎再活性化)、標準治療群で7例(B細胞性リンパ腫5例、心停止、急性呼吸窮迫症候群各1例)に認められました。重篤な副作用はイエスカルタ群で63例(発熱24例、脳症17例、低血圧15例等)、標準治療群で59例(発熱性好中球減少症19例、急性腎障害6例、血小板数減少5例等)に認められました。投与中止に至った有害事象は、標準治療群の2例(急性腎障害、血液幹細胞採取不十分各1例)に認められました。

  • *:

    本項の副作用の集計においては、サイトカイン放出症候群は症候群としてグルーピングしておらず、それぞれの事象・症状を抽出している。

サイトカイン放出症候群の発現状況は電子添文、適正使用ガイドをご参照ください。

副作用の一覧(いずれかの群で10%以上に発現)

基本語 イエスカルタ群
(N=170)
標準治療群
(N=168)
すべての副作用 163(95.9) 160(95.2)
発熱 157(92.4) 33(19.6)
低血圧 70(41.2) 18(10.7)
頭痛 51(30.0) 27(16.1)
洞性頻脈 51(30.0) 9(5.4)
疲労 50(29.4) 80(47.6)
好中球減少症 48(28.2) 28(16.7)
悪寒 45(26.5) 8(4.8)
振戦 37(21.8) 1(0.6)
錯乱状態 35(20.6) 1(0.6)
失語症 35(20.6) 0(0.0)
低酸素症 33(19.4) 7(4.2)
悪心 30(17.6) 108(64.3)
脳症 29(17.1) 1(0.6)
貧血 25(14.7) 83(49.4)
食欲減退 24(14.1) 40(23.8)
下痢 24(14.1) 52(31.0)
好中球数減少 22(12.9) 45(26.8)
傾眠 18(10.6) 0(0.0)
低ガンマグロブリン血症 17(10.0) 1(0.6)
嘔吐 17(10.0) 49(29.2)
血小板減少症 16(9.4) 39(23.2)
白血球数減少 13(7.6) 37(22.0)
低リン酸血症 9(5.3) 25(14.9)
急性腎障害 7(4.1) 17(10.1)
低カリウム血症 7(4.1) 39(23.2)
血小板数減少 7(4.1) 58(34.5)
リンパ球数減少 5(2.9) 21(12.5)
低マグネシウム血症 5(2.9) 27(16.1)
便秘 2(1.2) 43(25.6)
しゃっくり 2(1.2) 17(10.1)
発熱性好中球減少症 1(0.6) 43(25.6)
口内炎 1(0.6) 28(16.7)

発現例数(%)
MedDRA version 23.1

  1. 承認時評価資料:海外第III相試験(ZUMA-7試験)
  2. Westin JR, et al.: N Engl J Med 389(2), 148-157, 2023
    本試験はKite社の支援を受けている。著者の中にKite社から雇用を受けている者、アドバイザリーボード料を受けている者などが含まれる。
  3. ​Swerdlow SH, et al.: Blood 127(20), 2375-2390, 2016
    著者の中にGilead社からアドバイザリーボード料を受けている者などが含まれる。
  4. Cheson BD, et al.: J Clin Oncol 32(27), 3059-3068, 2014
    著者の中にGilead社からアドバイザリーボード料を受けている者などが含まれる。

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