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ビクタルビ配合錠 テノホビルの代謝および耐性プロファイル

TAFではTDFより高い抗ウイルス活性が期待できます

TAFの代謝メカニズム 1-3

TAFは、テノホビル(TFV)の新規プロドラッグです。
TAFは、経口吸収後、効率的にHIV標的細胞(CD4リンパ球など)内に移行します。細胞内では主にカテプシンAにより加水分解を受け、中間代謝産物であるTFV-アラニンを経た後、TFVに代謝されます。その後、細胞内酵素によりリン酸化を受け、抗HIV活性のあるTFV二リン酸に変換されます。TAFは血漿中で安定であり、既存のTFVのプロドラッグであるTDFと比較して、1/10程度の投与量で同様の抗ウイルス活性を示し、TFVの血漿中濃度も低く抑えることが可能となりました2‒3

ゲンボイヤ配合錠、スタリビルド配合錠投与時の血漿中TFV濃度および細胞内のTFV二リン酸(TFV-DP)曝露量(外国人データ)1

対象 抗HIV薬による治療経験がないHIV-1感染症患者(18歳以上)
方法 ゲンボイヤ[エルビテグラビル(EVG)/コビシスタット(COBI)/FTC/TAF]あるいはスタリビルド(EVG/COBI/FTC/TDF)を1日1回投与し、投与開始4週時あるいは8週時の来院時に採血しTFVの薬物動態とPBMC内のTFV-DP濃度について検討した。

TAF投与時の血漿中TFV曝露量(AUC)は、TDF投与時と比べ約90%低く、細胞(PBMC)内のTFV二リン酸(TFV-DP)曝露量はTDF投与時と比べて約4倍高くなります。このことから、TAFはTDFの1/10程度の投与量でTDFと同程度の抗ウイルス活性と、TDFで懸念される腎臓や骨に対する影響の低減が考えられます。

1. Sax PE, et al.: Lancet 2015; 385(9987) : 2606.
〔利益相反〕本研究はギリアド・サイエンシズ社の支援を受けている。
2. Ruane PJ, et al.: J Acquir Immune Defic Syndr 2013; 63(4): 449.
〔利益相反〕本論文の著者の一部はギリアド・サイエンシズ社の社員である。
3. 社内資料 292-0101試験(生物学的同等性の検討)

3TCとFTCに対し高度耐性を示すことで知られるM184I/V変異の存在下において、TFVへの感受性は逆に増強することが報告されています(in vitro

M184I/Vによる各種核酸系逆転写酵素阻害薬(NRTI)の感受性の変化

方法 NRTI耐性変異のないHIV臨床株(n=500)とM184I/V変異を含むHIV臨床株(n=2,451)の薬剤感受性検査を行い、IC50を集計し野生型ウイルスのIC50に対するFold changeを算出した。

Ross L, et al: AIDS 2004; 18: 1691.をもとに作成

各種NRTIについて、NRTI耐性変異(K65R、K65R+M184V)に対する感受性が検討されました(in vitro

K65R単独およびK65R+M184Vに対する各種NRTIの感受性の変化

方法 野生型ウイルス、K65Rを保有するHIV-1感染症患者由来のHIV-1、患者由来のHIV-1に部位指定変異導入によりM184Vを加えたK65R+M184V重複のHIV-1を用い、MT-2細胞を各ウイルスに感染させ、テノホビル、ddI、ABC、DXG、AZT、d4Tによる野生型ウイルスに対するEC50比(fold change)の変化を評価した。2~8回の実験により平均のfold changeを評価した。

White KL, et al.: Antimicrob Agents Chemother 2002; 46(11): 3437.
〔利益相反〕本論文の著者の一部はギリアド・サイエンシズ社の社員である。

K65RおよびM184VがあるとHIV-1のウイルス複製能が低下することが示されています(in vitro

K65R、M184Vを保有する変異株の複製能

対照である野生型ウイルスの複製能と比較して、K65Rの導入によって複製能は58%、M184Vの導入によって複製能は65%、K65R+M184Vの導入によって複製能は38%に低下することが示されました。

方法 ルシフェラーゼレポーター遺伝子を指標に、K65R単独およびK65R+M184Vを導入した組み換えHIV-1の1サイクルのウイルス増殖について、対照の野生型ウイルスに対する相対的な複製能を評価した。

Deval J, et al.: J Biol Chem 2004; 279: 509.
〔利益相反〕本論文の著者の一部はギリアド・サイエンシズ社の社員である。

NRTIに対する耐性変異としてよく知られているM184V変異は、3TCとFTCに対しては高度耐性となりますが、AZTとTDFに対してはむしろ感受性が増強することが知られています。また、AZT以外のすべてのNRTIに耐性を示すK65R変異はTDFに対し高度耐性、FTCに対しては中等度の耐性となりますが、K65R変異にM184V変異が加わると、TDFに対する感受性が増強することが示されています。なお、K65R、M184Vがあるとウイルスの複製能が低下し、K65RとM184Vが重複するとさらにウイルスの複製能が低下することも分かっています。

5. 効能又は効果に関連する注意(抜粋)
5.2 本剤による治療に当たっては、患者の治療歴及び可能な場合には薬剤耐性検査(遺伝子型解析あるいは表現型解析)を参考にすること。

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