ウイルス肝炎のEliminationに向けて―世界と日本の現状と課題
- 日時
- 2024年10月18日(金)12:50~13:50
- 座長
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独立行政法人国立病院機構 長崎医療センター 臨床研究センター 難治性疾患研究部長
小森 敦正 先生
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独立行政法人国立病院機構 長崎医療センター 臨床研究センター 難治性疾患研究部長
- 演者
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国立国際医療研究センター 肝炎・免疫研究センター 研究センター長/肝炎情報センター長
考藤 達哉 先生
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国立国際医療研究センター 肝炎・免疫研究センター 研究センター長/肝炎情報センター長
- 講演内容
B型肝炎、C型肝炎は世界最大級の感染症であり、WHOはウイルス肝炎のEliminationを2030年までに達成することを目標としている。
全国民が一生に一度は肝炎ウイルス検査を受けて早期に感染の有無を確認すること、そして検査で発見された患者が適切な医療を受けることは極めて重要である。
経口DAAの導入によってHCVは排除できる感染症となった。しかし、HCV持続感染によって肝細胞や免疫細胞にエピゲノム修飾が誘導され、HCV排除(SVR)後もそれが残存することが報告されており、SVR達成後の肝発癌の機序として注目されている。
肝硬変、肝線維化、代謝要因(糖尿病、飲酒、肥満等)などはSVR後の発癌リスクとして知られており、これらの因子の組み合わせによって肝癌リスクを層別化し、効率的な肝癌サーベイランス体制の構築が望まれている。SVR後に何年間フォローを継続するべきか結論は出ていないが、フォロー中止可能な低リスク群の判別も重要な課題である。
現在、B型肝炎に対しては核酸アナログが標準治療であり、肝硬変や肝がんの抑止作用が認められている。
しかし、現行治療ではHBVの複製鋳型や組み込みHBV DNAの排除は極めて困難であり、発癌抑止作用は十分ではない。
HBV生活環の解明が進み、様々な複製過程を標的とした治療薬が開発されている。HBVに対する免疫反応の増強を目指した免疫賦活剤も開発されている。
近い将来、新薬が臨床へ導入されることが期待される。
本講演では、ウイルス肝炎の現在と将来の治療について、またウイルス肝炎のEliminationに向けた研究と政策の現状について紹介する。詳細はこちらの公式WEBサイトをご参照ください。
https://www.congre.co.jp/78nms/
製品情報
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