B型肝炎治療の現状とHBs抗原消失への挑戦
- 日時
- 2025年6月4日(水)12:10~13:00
- 座長
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岐阜大学大学院医学系研究科 消化器内科学 教授
清水 雅仁 先生
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岐阜大学大学院医学系研究科 消化器内科学 教授
- 演者
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愛媛大学大学院医学系研究科 消化器・内分泌・代謝内科学 講師
吉田 理 先生
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愛媛大学大学院医学系研究科 消化器・内分泌・代謝内科学 講師
- 講演内容
- B型肝炎ウイルス(HBV)は急性肝炎、急性肝不全、慢性肝炎、肝硬変、肝細胞癌など多様な病態を引き起こす。特に急性肝不全、肝硬変や肝細胞癌は致命的になることが多く、治療介入を要する。
日本肝臓学会は、HBV持続感染に対する治療目標を「HBV感染者の生命予後及びQOLを改善すること」に掲げ、HBs抗原をsurrogate markerとし、”HBs抗原の消失”をB型肝炎治療の長期目標と設定した。
HBV持続感染者に対する抗ウイルス療法にはインターフェロン(IFN)と核酸アナログ製剤が使用される。IFNは期間限定の治療であり、慢性肝炎症例の第一選択薬として考慮されるが、週1回の皮下投与を要し、様々な副作用がみられるため治療対象は限定される。
核酸アナログは強力なHBV増殖抑制作用を有し肝炎を鎮静化させる効果が高い。厚労省の肝炎医療費助成対象者数調査票(令和5年度)の報告によると、多くのB型慢性肝炎、B型肝硬変患者に対する治療に核酸アナログは用いられる。
さらに、核酸アナログは免疫抑制・化学療法の際のHBVキャリアの再活性化予防、HBV既往感染者のHBV再活性化治療にも用いられる。一方核酸アナログは、長期の治療目標であるHBs抗原の消失を達成することが難しく、長期にわたる治療を要することが多い。そのため、HBs抗原の消失を目指した抗HBV治療薬の開発が行われており、現在HBV侵入阻害剤、ウイルスRNA阻害剤、キャプシド集合阻害剤、治療ワクチンなどの臨床試験が行われている。
本セミナーでは、B型肝炎に対する治療の現状を総括するとともに、演者らがHBs抗原の消失を目指して開発を行っている経鼻治療ワクチンを紹介する。
詳細はこちらの公式WEBサイトをご参照ください。
https://site.convention.co.jp/jalfs51/
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