B型肝炎臨床現場のUnmet needs
- 日時
- 2025年6月27日(金)11:50~12:40
- 座長
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大阪公立大学大学院医学研究科 肝癌治療学 特任教授
河田 則文 先生
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大阪公立大学大学院医学研究科 肝癌治療学 特任教授
- 演者
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順天堂大学医学部附属静岡病院 消化器内科 教授
玄田 拓哉 先生
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順天堂大学医学部附属静岡病院 消化器内科 教授
- 講演内容
- 1964年Blumbergらによりオーストラリア抗原として発見されたB型肝炎ウイルス(hepatitis B virus, HBV)は、その感染により宿主に急性肝炎・急性肝不全から肝硬変・肝細胞癌まで幅広い病態を惹起する特異な病原体である。
HBV持続感染者は全世界に約4億人が存在すると想定される世界最大の感染症の一つであり、本邦においても感染マーカーである血中HBs抗原陽性率は高齢者では1%近くに達する。しかし、医学的管理を受けていない陽性者は非活動性キャリアを中心として多数存在することが示唆されている。
B型慢性肝炎治療は1990年代に登場した核酸アナログによりHBV複製を阻止することが可能となり飛躍的に進歩し、生化学検査結果改善のみならず肝線維化進展や肝発癌を抑制することが可能となった。しかし、非代償性肝硬変に進行した場合の核酸アナログによる生命予後改善効果は限定的であり、長期生存を得るためには現在でも肝臓移植しか治療法がない。また、肝発癌は核酸アナログ投与中や投与対象外とされる患者からも認められ、現在でもHBV感染は肝細胞癌の主な原因の一つである。
急性肝不全の原因としてのHBV感染も現在でも一定数存在し、特に免疫抑制化学療法を契機としたHBV再活性化からの急性肝不全発症はB型肝炎治療ガイドラインで予防法が示されているものの、今だに発生が認められる。
肝硬変や肝細胞癌など重大な肝関連イべント発生は血中HBs抗原消失後には顕著に低下することが明らかとなっており、HBVの完全な駆除が得られない現状では血中HBs抗原消失が治療の最終的な目標とされ、”functional cure”と呼ばれている。しかし、HBV持続感染者におけるHBs抗原消失は年率1%と低く、特に核酸アナログ投与対象となるHBV複製の亢進している患者では低率である。このようにB型肝炎の臨床現場には多様なunmet needsが存在しており、各種HBVマーカーから病態を把握して適切な患者管理が必要である。
本講演ではこのようなB型肝炎臨床現場のunmet needsを整理したい。
詳細はこちらの公式WEBサイトをご参照ください。
https://site2.convention.co.jp/kangan32/
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