エプクルーサ配合錠(以下、エプクルーサ)投与を開始する患者さんに、 以下のご指導をお願いします。
服薬指導
服用方法の指導
エプクルーサは1日1回1錠を服用します。
飲み忘れや服用錠数の誤りがないよう、患者さんへのご指導をお願いいたします。
エプクルーサの服用時間には指定がありませんが、飲み忘れを防止する意味で、朝食または夕食後のいずれかに服用することを患者さんにお勧めください。
エプクルーサは、12週間または24週間※にわたって毎日欠かさず服用することで、効果が期待できることを患者さんへお伝えください。
- 24週間服用の方は、リバビリンも一緒に毎日服用します。
投与にあたっての注意点
B型肝炎ウイルスに感染している患者さん、または過去に感染したことのある患者さんは、C型肝炎の治療によりB型肝炎が悪化することがありますので、患者さんにその旨を必ずご確認ください。
相互作用について
- エプクルーサの投与を開始する前に、患者さんが現在服用中の薬剤についてご確認ください。
- エプクルーサの有効成分であるソホスブビル及びベルパタスビルは、トランスポーター(P糖蛋白(P-gp)、乳癌耐性蛋白(BCRP))の基質です。ベルパタスビルはCYP2B6、CYP2C8及びCYP3A4により代謝されます。またベルパタスビルはP-gp、BCRP、OATP1B1及びOATP1B3に対する阻害作用があり、強力なP-gp又はCYPの誘導作用をもつ薬剤との併用により、ソホスブビル又はベルパタスビルは血漿中濃度が低下する可能性があります。
- エプクルーサとアミオダロンとの併用により、徐脈等の不整脈があらわれるおそれがありますので、併用は避けてください。やむを得ず併用する際には、併用投与開始から少なくとも3日間は入院下で適切に心電図モニタリングを実施し、不整脈の徴候の発現にご注意いただくなど、十分な観察をお願いいたします。
- また、患者さんが他の診療科や他の医療施設を受診する際、エプクルーサを服用中である旨を受診先に伝えるようご指導ください。
エプクルーサの併用禁忌及び併用注意については、こちらの「使用上の注意」をご確認ください。
飲み忘れの防止について
服薬継続の重要性
エプクルーサによる効果は、毎日欠かさず飲み続けることによって期待できるようになります。万一飲み忘れがあると、ウイルスの排除が難しくなるおそれがあります。患者さんに服薬継続の重要性をお伝えください。
また、患者さんの来院時に、飲み忘れがないかをご確認ください。
服薬指導のポイント
エプクルーサの投与開始から投与終了までの12週間において、予想される患者さんの服薬行動に沿った服薬指導のポイントを以下にまとめました。ご参考となれば幸いです。
治療経過 | 投与開始~4週 | 5週~8週 | 9週~投与終了 |
---|---|---|---|
予想される患者さんの服薬行動 | 治療へのモチベーションは高いが、服薬の習慣化には至っていない | 治療の必要性の認識が薄れ、自己判断により服薬を中断する可能性あり | 治療のゴールが見え、治療完了への意欲は高まるが、緊張の緩みによる飲み忘れの可能性あり |
服薬指導のテーマ | 服薬の習慣化 | 服薬習慣の維持 | 服薬完遂のための動機づけ |
服薬指導のポイント | 12週間(84日間)にわたり治療を継続し、完遂することへの理解を促してください。また服薬の習慣づけをご指導ください。 | 投薬期間内にウイルスが陰性化しても、決して患者さんの自己判断で服薬を止めることのないよう、服薬の重要性を再度ご指導ください。 | 治療のゴールが近づいていることを患者さんに意識していただき、最後まで気を抜かずに、処方された薬を飲みきるよう患者さんをご指導ください。 |
- 24週間服薬される患者さんに対しても、治療を完遂していただくことの重要性を意識していただき、処方された薬を飲み切るようご指導ください。
副作用及び治療中の体調の異変について
エプクルーサで報告されている副作用について、患者さんにご案内ください。C型非代償性肝硬変の患者さんを対象に、本剤を12週間単独投与した国内第3相臨床試験において認められた主な副作用は発疹及び頭痛等でした。
C型慢性肝炎又はC型代償性肝硬変患者を対象に、本剤とリバビリンを24週間併用投与した国内第3相臨床試験において認められた主な副作用は貧血、倦怠感、そう痒症等でした。
また、治療中に体調の異変を感じたら、自己判断で治療を中断せず、医師または薬剤師に相談するようご指導ください。
エプクルーサの安全性については、こちらをご確認ください。
妊婦・産婦・授乳婦・小児等への投与について
- 妊娠している方がエプクルーサを服用する際の安全性は確立していません。妊娠中の方、または妊娠している可能性のある方は、ご担当の先生にご相談ください。なお、エプクルーサ配合錠と一緒にリバビリンを服用すると、赤ちゃんに影響を与えるおそれがあるので24週間服用とする治療法は行えません。
- パートナーが妊娠する可能性のある男性の方は、エプクルーサ配合錠とリバビリンによる治療中および治療終了後6ヵ月間は、信頼できる避妊法を用いるなどして妊娠を避けてください。
- 授乳中の方への投与は避けてください。やむを得ず投与する場合は、授乳の中止をご指導ください。
- 低出生体重児、新生児、乳幼児、小児に対する安全性は確立していません。
エプクルーサの併用禁忌及び併用注意については、こちらの「使用上の注意」をご確認ください。
治療期間中の生活指導
日常生活上の注意点として、患者さんに以下の点のご指導をお願いいたします。
C型非代償性肝硬変の患者さんの運動と食事
- 運動は、手足の屈伸やストレッチ程度にとどめておきましょう。
- 食後30分程度はソファーや座椅子などに楽な姿勢で座り、ゆったりと過ごしましょう。
- 栄養バランスの良い食事を1日3回食べるほか、寝る前には200kcal程度の夜食を食べるように心がけましょう。
周囲の人へのC型肝炎ウイルスの感染予防のために
- 出血をともなうケガをした場合は、自分で手当てをする。
- 自分の血液(鼻血・月経血など)や分泌物が付着したものは、袋で包むなどして捨てるか、流水でよく洗う。
- 歯ブラシやカミソリなどの日用品は、自分専用にする。(C型慢性肝炎又はC型非代償性肝硬変の方)
患者さんの健康維持のために
- 過労を避け、規則正しい生活を心がける。
- 飲酒を控える。
- 適度な運動を継続し、過食に注意する。(C型慢性肝炎又はC型代償性肝硬変の方)
患者さんとご家族のためのウェブサイトのご紹介
エプクルーサ治療中の患者さんとご家族のためのウェブサイトをご用意しています。
このサイトでは、エプクルーサ治療への理解を深め、治療を完了していただくための情報をご提供しています。
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