ソバルディ錠(以下、ソバルディ)投与を開始する患者さんに、 以下のご指導をお願いします。
服薬指導
服用方法の指導
ソバルディとリバビリン併用投与において、ソバルディは1日1回1錠、リバビリンは1日2回、体重に応じた錠数を服用します。
服用時の薬剤の取り違えや服用錠数の誤りがないよう、患者さんへのご指導をお願いいたします。
ソバルディに服用時間の指定はありませんが、朝食又は夕食後のいずれかに、リバビリンとともにソバルディを服用することを患者さんへお勧めください。
ソバルディとリバビリンによる治療は、両剤を毎日、12週間にわたり服用することで、効果が期待できることを患者さんへお伝えください。

ソバルディ錠400mgの用法・用量は、「リバビリンとの併用において、通常、成人にはソホスブビルとして400mgを1日1回、12週間経口投与する。」です。
投与にあたっての注意点
B型肝炎ウイルスに感染している患者さん、または過去に感染したことのある患者さんは、C型肝炎の治療によりB型肝炎が悪化することがありますので、患者さんにその旨を必ずご確認ください。
相互作用について
- ソバルディとリバビリンの併用投与を開始する前に、患者さんが現在服用中の薬剤についてご確認ください。
- ソバルディは、トランスポーター(P糖蛋白(P-gp)、乳癌耐性蛋白(BCRP))の基質です。P-gp誘導作用を有する薬剤や、BCRP阻害作用を有する薬剤の服用についてご確認をお願いいたします。
- 特に、リファンピシン(リファジン)、カルバマゼピン(テグレトール)、フェニトイン(アレビアチン)、セイヨウオトギリソウ(セント・ジョーンズ・ワート)含有食品は併用禁忌です。
- また、患者さんが他の診療科や他の医療施設を受診する際、ソバルディとリバビリンを服用中である旨を受診先に伝えるようご指導ください。
- ソバルディの併用禁忌及び併用注意については、こちらの「使用上の注意」をご確認ください。
- リバビリンの相互作用についてはリバビリンの添付文書をご確認ください。
飲み忘れの防止について
服薬継続の重要性
ソバルディとリバビリン併用投与による効果は、毎日欠かさず飲み続けることによって期待できるようになります。万一飲み忘れがあると、ウイルスの排除が難しくなるおそれがあります。患者さんに服薬継続の重要性をお伝えください。
また、患者さんの来院時に、飲み忘れがないかのご確認をお願いいたします。
服薬指導のポイント
ソバルディとリバビリン併用投与開始から投与終了までの12週間において、予想される患者さんの心理状態に応じた服薬指導のポイントを以下にまとめました。服薬指導のご参考となれば幸いです。
治療経過 | 投与開始~4週 | 5週~8週 | 9週~投与終了 |
---|---|---|---|
予想される患者さんの服薬行動 | 治療へのモチベーションは高いが、服薬の習慣化には至っていない | 治療の必要性の認識が薄れ、自己判断により服薬を中断する可能性あり | 治療のゴールが見え、治療完了への意欲は高まるが、緊張の緩みによる飲み忘れの可能性あり |
服薬継続向上のためのテーマ | 服薬の習慣化 | 服薬習慣の維持 | 服薬完遂のための動機づけ |
服薬指導のポイント | 12週間(84日間)にわたり治療を継続し、完遂することへの理解を促してください。また服薬の習慣づけをご指導ください。 | 投薬期間内にウイルスが陰性化しても、決して患者さんの自己判断で服薬を止めることのないよう、服薬の重要性を再度ご指導ください。 | 治療のゴールが近づいていることを患者さんに意識していただき、最後まで気を抜かずに、処方された薬を飲みきるよう患者さんにご指導ください。 |
副作用及び治療中の体調の異変について
患者さんにソバルディとリバビリン併用投与で報告されている副作用についてご案内ください。ソバルディとリバビリン併用投与の有効性と安全性を検討した国内第3相臨床試験において認められた主な副作用は、貧血又はヘモグロビン減少、頭痛、倦怠感、悪心、そう痒症等でした。
また、治療中に体調の異変を感じたら、自己判断で治療を中断せず、医師又は薬剤師に相談するようご指導ください。
ソバルディとリバビリン併用投与の安全性については、こちらをご確認ください。
避妊・授乳について
ソバルディとリバビリン併用投与により胎児に影響を与えるおそれがありますので、妊婦又は妊娠している可能性のある患者さんには、必ず以下の点を確認あるいはご指導ください。
また、授乳中の患者さんには、服用を開始する前に授乳を中止するようご指導ください。
- 妊娠中、妊娠している可能性のある患者さんには、ソバルディとリバビリンを投与できない旨をお伝えください。
- 投与前に妊娠していないことを確認するために、妊娠検査を行ってください。
- 授乳中の方が治療される場合は、薬を飲む前に授乳を中止するようご指導ください。
- パートナーが妊娠する可能性のある男性の患者さんには、ソバルディとリバビリン併用投与中及び投与終了後6ヵ月間は、信頼できる避妊法を用いるようご指導ください。
- パートナーが妊娠している男性の患者さんには、精液から薬剤の成分が移行することを避けるために、ソバルディとリバビリン併用投与中及び治療終了後6ヵ月間は、コンドームを使用するようご指導ください。
ソバルディの妊婦、産婦、授乳婦等への投与については、こちらの「使用上の注意」をご確認ください。
治療期間中の生活指導
日常生活上の注意点として、患者さんに以下の点をご指導ください。
周囲の人へのC型肝炎ウイルスの感染予防のために
- 出血をともなうケガをした場合は、自分で手当てをする。
- 自分の血液や分泌物が付着したものは、袋で包むなどして捨てるか、流水でよく洗う。
- 歯ブラシやカミソリなどの日用品は、自分専用にする。
患者さんの健康維持のために
- 過労を避け、規則正しい生活を心がける。
- 飲酒を控える。
- 適度な運動を継続し、過食に注意する。
サポートツール
本ツールでは、治療期間中の患者さんの心理変化に応じた服薬継続向上のための「4つのツール」をご用意しています。
①服薬指南書(服薬日記)
ソバルディ治療をスムーズに行なえるように、ご理解いただきたいことをまとめた手引き書(指南書)です。

②服薬道八十四次 記録の地図
お薬の習慣を記録するための地図です。毎日のお薬を習慣化するためのシール台紙としてお使いいただけます(専用の服薬シールも同封されています)。

③ソバルディ錠を服用される皆様へ
ソバルディ治療をはじめる方に知っていただきたい、お薬の基本情報から治療を行なう上での注意点などをまとめた冊子です。

④わたしの服薬日誌
ソバルディ治療をはじめた方に、検査数値や服用確認を記録していただくための冊子です。

患者さんとご家族のためのウェブサイトのご紹介
ソバルディ治療中の患者さんとご家族のためのウェブサイトをご用意しています。
このサイトでは、ソバルディとリバビリンによる治療への理解を深め、治療を完遂していただくための情報を提供しています。