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服薬チェックシートの使い方

監修:国立病院機構 大阪医療センター 薬剤部 矢倉 裕輝 先生

質問票の記入について

質問表では、「生活全般について」、「他の病気・薬について」、「今の治療について」の3つのカテゴリーの質問によって、患者さんのライフスタイル上の課題や潜在ニーズを把握します。

質問票(記入例)

① 生活全般について

ライフスタイルの確認とともに、副作用発現の可能性とアドヒアランスの確認を行い、日常生活における服薬継続の阻害因子を探索しましょう。

例えば、「最近、入眠しにくい、もしくは途中で目が覚める。」で「はい」と答えている患者さんの場合では、睡眠障害はストレスと関連していることが多いことから、ストレスの項目のチェックとあわせて評価するとよいでしょう。
また、検査値に現れない薬剤性の自覚症状の可能性があります。該当するものがあれば、どのタイミングで(例:服薬後に)、いつから(例:薬を飲み始めてから、以前からもある症状だが薬を飲み始めてから増悪している)など詳細を確認し、該当するものがあれば継続して確認することが大切です。

② 他の病気・薬について

かくれた薬物相互作用の可能性に注意しましょう。

他の病院に通っていて薬が処方されており、それが抗HIV 薬と相互作用をきたすものかもしれません。サプリメント、健康食品と聞いてしまうと、患者さんによっては関係ないと判断される場合があります(例:プロテイン)。なるべく限定する表現を使わず、確認するとよいでしょう。

③ 今の治療について

現在服薬している薬で課題や満たされていないニーズがないかを確認しましょう。

一見、順調に服薬を継続されていても、実は我慢して服薬していたり、服薬のためにあきらめていることがあるかもしれません。
副作用、薬の大きさ、1日の服薬回数、1回の服薬の錠剤数などの確認をすることで、現状の課題の解決やニーズを満たすことができる薬の紹介につながる可能性があります。

生活スケジュールの記入について

治療の継続のためには、患者さんのライフスタイル、生活リズムにあった服薬が重要です。
患者さんが記入した生活スケジュールをもとに、服薬に無理がないか、あるいは、服薬にあわせるために無理をした生活になっていないか、患者さんと話し合ってみましょう。

生活スケジュール(記入例)
  • 可能であれば、医療者が問診を行いながら、記入していきましょう。
  • 外側の円に普段の日、内側の円にそれ以外の日の生活スケジュールを記入することで、ライフスタイルが規則的か不規則かを確認できます。
  • シフト制のお仕事などで3つ以上の生活パターンをお持ちの患者さんには、さらに外側に円を描いて記入しましょう。
  • 周囲に人がいる状況で薬が飲めないという悩みもありますので、食事の時間は誰と過ごしているかも確認してみましょう。
  • 代表的な1日の生活スケジュールを描けない患者さんは、うつなどの精神疾患を持っている可能性があります1。原因を考えて、医師を含む医療スタッフ間で対応を考えましょう。

1. Magidson JF, et al.: AIDS Behav. 2015; 19(1): 34.