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IBD患者はSARS-CoV-2感染でVTEリスクが著増する

 炎症性腸疾患(IBD)患者が重症急性呼吸器症候群コロナウイルス2(SARS-CoV-2)に感染した場合は、深部静脈血栓塞栓症(VTE)のリスクが著増することが明らかになった。最近の入院とステロイド投与の有無で調整すると、オッズ比は8倍を超えるという。米マイケル・J・クレセンツ退役軍人医療センターのNadim Mahmud氏らの研究によるもので、詳細は「Gastroenterology」に6月14日掲載された。

 IBD患者はVTEハイリスクであり、SARS-CoV-2感染がそのリスクを上昇させる可能性は既に指摘されていたが、詳細なデータは示されていなかった。Mahmud氏らはこの点を検討するため、退役軍人省(VA)医療制度のデータを用い、VTEを発症したIBD患者を対象とするケースクロスオーバー研究を行った。

 米国で新型コロナウイルス感染症(COVID-19)感染拡大が顕著になった2020年3月1日よりも前にVAデータに登録され、2020年4月1日~2021年3月30日にVTEイベントを発症したIBD患者428人を解析対象とした。年齢は中央値69歳(四分位範囲58~74歳)であり、男性が93.9%、白人が79.4%を占めていた。

 IBDの内訳は、潰瘍性大腸炎が54.4%、クローン病が45.6%であり、49.8%は5-ASA製剤のみ、15.7%は抗TNF-α製剤のみで管理されていた。また、9.6%にステロイド薬、31.1%に抗凝固薬が処方されていた。

 研究期間中に58人がSARS-CoV-2に感染し、うち21人はVTE発症の30日以内に感染していた。IBD治療のための最近の入院とステロイド投与を調整した条件ロジスティック回帰分析の結果、SARS-CoV-2感染によりVTE発症オッズ比(OR)は8.15倍(95%信頼区間4.34~15.30、P<0.001)に上ることが分かった。

 抗凝固薬の処方の有無別に検討すると、同薬が処方されていた患者群では、SARS-CoV-2感染とVTEリスクの間に有意な関連は認められなかった〔OR0.63(同0.08~5.15)、P=0.66〕。その一方で、抗凝固薬が処方されていない患者群では、SARS-CoV-2感染によりVTEリスクがより顕著に上昇していることが明らかになった〔OR14.31(同6.90~29.66)、P<0.001〕。

 著者らは、本研究を「基礎疾患としてIBDを有するSARS-CoV-2感染者のVTEリスク上昇を詳細に検討した初の研究」と位置付けている。結論として、「IBD患者がSARS-CoV-2に感染するとVTEのリスクが大幅に上昇する。IBD患者はSARS-CoV-2感染予防戦略により、高い恩恵が期待できる集団と言える」と述べている。

 なお、2人の著者が、本研究に対して助成金を提供したファイザー社を含む、医薬品・食品関連企業との金銭的関係の存在を明らかにしている。(HealthDay News 2021年6月24日)

https://consumer.healthday.com/risk-of-vte-up-for-ibd-patients-who-contract-sars-cov-2-2653501792.html

Abstract/Full Text
https://www.gastrojournal.org/article/S0016-5085(21)03123-1/pdf

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