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レムデシビルへのIFNβ1aの追加はCOVID-19の予後を改善しない

 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)入院患者に対して、レムデシビルにインターフェロンβ1a(IFNβ1a)を上乗せしても予後改善につながらないとする研究結果が報告された。米ネブラスカ大学メディカルセンターのAndre C. Kalil氏らが行った日本を含む国際共同研究の結果であり、「The Lancet Respiratory Medicine」に10月18日、論文が掲載された。ベースライン時に高流量酸素療法等を必要とする患者ではIFNβ1a上乗せにより、かえって転帰が悪化し重篤な有害事象の増加も認められたという。

 この研究は、日本、米国、韓国、シンガポール、メキシコの63病院が参加し、二重盲検無作為化プラセボ対照試験として行われた。2020年8月5日~11月11日に、下気道感染の画像所見、SpO2がルームエアーで94%以下、何らかの呼吸管理を要するという3条件のいずれかに該当する18歳以上の患者969人を登録。レムデシビルを全例に投与した上で、無作為に2群に群分けし、1群をレムデシビル+IFNβ1a群(487人)、他の1群をレムデシビル+プラセボ群(482人)とした。なお、入院時点で既に人工呼吸管理が行われていた患者や、肝・腎機能異常、妊娠または授乳中、72時間以内に退院または転院が予測される患者などは除外されていた。

 レムデシビルは1日目に200mgを投与し、2日目以降は100mgを最大9日目まで連日投与。IFNβ1aは44μgを最大4回、隔日投与した。主要評価項目は、症状回復に要した期間。回復の定義は、レムデシビルのCOVID-19に対する適応拡大治験時に設定されていた重症度カテゴリー3(酸素投与不要な状態)以下への到達とした。

 回復に要した期間は両群ともに中央値5日であり、有意差はなかった〔レムデシビル+IFNβ1a群に対するレムデシビル+プラセボ群の回復率比(recovery rate ratio;RRR)0.99(95%信頼区間0.87~1.13)、P=0.88〕。カプランマイヤー法による28日間の推定死亡率にも有意差がなかった〔ハザード比(HR)1.33(同0.69~2.55)、P=0.39〕。

 ベースライン時点の重症度スコアにより層別化して検討すると、カテゴリー6(非侵襲的換気または高流量酸素療法を要する)に該当する患者では、レムデシビル+プラセボ群の方が回復に要した期間が有意に短かった〔RRR0.40(同0.22~0.75)、P=0.0031〕。また、カテゴリー6該当患者の有害事象発現率は、レムデシビル+プラセボ群が39%であるのに対し、レムデシビル+IFNβ1a群は69%〔リスク差(RD)29.2(同5.5~48.7)〕であり後者に有意に多かった。さらに重篤な有害事象に限ると、発現率は同順に24%、60%であって、より大きなリスク差が認められた〔RD35.8(同12.3~54.2)〕。

 著者らは、「レムデシビルへのIFNβ1a上乗せにはメリットがなく、ベースライン時の重症度が高い患者では、転帰改善の遅延と有害事象の増加が認められた。この結果から、レムデシビルで治療されているCOVID-19入院患者へのIFNβ1a投与は推奨されない」と述べている。

 なお、本研究においてレムデシビルはギリアド・サイエンシズ社、IFNβ1aとそのプラセボはEMD Serono社が提供した。ただし両社ともに財政的支援は行っていない。(HealthDay News 2021年10月26日)

https://consumer.healthday.com/interferon-beta-1a-add-on-to-remdesivir-no-benefit-for-covid-19-2655327345.html

Abstract/Full Text
https://www.thelancet.com/journals/lanres/article/PIIS2213-2600(21)00384-2/fulltext

Editorial
https://www.thelancet.com/journals/lanres/article/PIIS2213-2600(21)00412-4/fulltext

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Photo Credit: Adobe Stock

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