イエスカルタとは
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イエスカルタは、世界で最初に悪性リンパ腫へ使用が可能となった抗CD19キメラ抗原受容体(CAR)を導入した自家由来のT細胞製品です1-3)。
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大細胞型B細胞リンパ腫患者を対象として、二次治療におけるイエスカルタの有効性・安全性を検証することを目的とした海外第III相試験(ZUMA-7試験)4)*1では、イエスカルタ群が標準治療群に比較して無イベント生存期間(EFS)*2の中央値が有意に長いことが示されました(P<0.0001、層別Log-rank検定)。
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二次治療としての有用性を検討した試験。
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2014年Lugano分類5)を用いた盲検下中央画像評価機関の判定に基づくEFS。
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主に三次治療以降を対象とした大細胞型B細胞リンパ腫患者における海外第II相試験(ZUMA-1試験)6)では、奏効率*3,4は83.2%(101例中84例、95%CI:74.4〜89.9%、Clopper-Pearson法)でした。国内第II相試験(J201試験)7)において奏効率*5は86.7%(15例中13例、95%CI:59.5〜98.3%、Clopper-Pearson法)でした。
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24ヵ月後データ更新時。
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2007年IWG基準8)を用いた治験責任医師又は治験分担医師の判定に基づく客観的奏効率(ORR:試験期間中の最良効果が完全奏効(CR)又は部分奏効(PR)と判定された患者の割合)。
データカットオフ日までに、CR又はPRの基準に合致しなかったすべての患者を奏効が得られなかった患者とみなした。 - *5:
3ヵ月の追加解析時。
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主に三次治療以降を対象とした大細胞型B細胞リンパ腫患者における海外第II相試験(ZUMA-1試験)の5年フォローアップ解析9)では、奏効率*4は24ヵ月時点での結果と同様、83.2%(101例中84例、95%CI:74.4〜89.9%、Clopper-Pearson法)でした。全生存期間(OS)中央値は25.8ヵ月であり、OSのKaplan-Meier推定値は42.6%でした。
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重大な不具合・副作用として、サイトカイン放出症候群、infusion reaction、神経系事象、感染症、低ガンマグロブリン血症、血球減少、腫瘍崩壊症候群が報告されています。
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大細胞型B細胞リンパ腫患者を対象とした海外第III相試験(ZUMA-7試験)4)において、170例中161例(95%)に副作用が認められた。主な副作用はサイトカイン放出症候群157例(92%)、脳症79例(46%)、好中球減少症65例(38%)、疲労44例(26%)、振戦36例(21%)等であった(効能、効果又は性能追加承認時までの集計)。
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主に三次治療以降を対象とした大細胞型B細胞リンパ腫患者における海外第I/II相試験(ZUMA-1試験)6)において、108例中107例(99%)に副作用が認められた。主な副作用はサイトカイン放出症候群(93%)、脳症(57%)、疲労(30%)、振戦(28%)、発熱(25%)等であった。国内第II相試験(J-201試験)7)において、16例中16例(100%)に副作用が認められた。主な副作用は、サイトカイン放出症候群13例(81%)、好中球数減少及び血小板数減少各7例(44%)等であった(承認時までの集計)。
詳しくは最新の電子添文の不具合・副作用及び臨床成績の安全性の結果をご参照ください。
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EFS:event-free survival、IWG:International Working Group、ORR:objective response rate、CR:complete response、PR:partial response、OS:overall survival
本品の適応症については、基本情報をご参照ください。
- Kochenderfer JN, et al.: J Immunother 32(7), 689-702, 2009
- Restifo NP, et al.: Nat Rev Immunol 12(4), 269-281, 2012
- Blanc V, et al.: Clin Cancer Res 17(20), 6448-6458, 2011
- 承認時評価資料:海外第III相試験(ZUMA-7試験)
- Cheson BD, et al.: J Clin Oncol 32(27), 3059-3068, 2014
- 承認時評価資料:海外第I/II相試験(ZUMA-1試験)
- 承認時評価資料:国内第II相試験(J201試験)
- Cheson BD, et al.: J Clin Oncol 25(5), 579-586, 2007
- Neelapu SS, et al.: Blood 141(19), 2307-2315, 2023