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ベクルリー点滴静注用 COVID-19に対するベクルリーの短期間投与
――非急性期病棟におけるケースシリーズより

COVID-19に対するベクルリーの短期間投与
――非急性期病棟におけるケースシリーズより

Takahashi Y, er al.: J Infect Chemother. 2023 Jan;29(1):95-97. doi: 10.1016/j.jiac.2022.08.025. Epub 2022 Sep 13.
本論文の著者の一部はギリアド・サイエンシズ社のアドバイザリーボードを務め、講演料を受け取っています。

監修:藤田医科大学医学部微生物学講座・感染症科 教授 土井洋平先生

試験概要

目的 COVID-19患者において、発症早期にベクルリーの短期間(3日間)投与を受けた患者の特徴と転帰を検討する。
対象 2022年2月に日本の非急性期病棟の2病棟(リハビリテーション病棟、緩和ケア・内科病棟)でクラスター発生時にCOVID-19を発症し、ベクルリーの短期間投与を受けた入院患者49名を対象とした。
方法 患者背景、発症時のCharlson Comorbidity Index*1、ワクチン接種状況、症状、ベクルリー治療期間、発症から14日目および28日目の生存率を、電子カルテから抽出した。また、Eastern Cooperative Oncology Group(ECOG)のPerformance Status*2を発症時、発症から14日目、発症から28日目に記録した。
解析計画 記述統計は、連続変数については中央値と四分位範囲(IQR)、カテゴリー変数については頻度とパーセントを用いて行った。14日目および28日目生存率の推定には、Kaplan-Meier法を使用した。年齢と悪性腫瘍による生存率はKaplan-Meier曲線を用いて表現した。すべての統計解析は、R 4.1.1(The R Project for Statistical Computing)を用いて行った。
*1: チャールソン併存疾患指数。死亡に関連する併存疾患を評価し、そのスコアの合計をスコア化したもの1。スコアが高いほど推定10年生存率が下がる。
*2: ECOG PS。米国東海岸がん臨床試験グループによる全身状態をスコア化したもの2。スコアが高いほど日常生活の制限が多い。
  1. Charlson ME, et al.: J Chronic Dis. 1987;40(5):373-83. doi: 10.1016/0021-9681(87)90171-8.
  2. Common Toxicity Criteria, Version2.0 Publish Date April 30, 1999. http://ctep.cancer.gov/protocolDevelopment/electronic_applications/docs/ctcv20_4-30-992.pdf(2023年3月1日閲覧).

患者背景

  • 年齢の中央値は75歳で、41名が少なくとも1回のワクチンの接種を受けていました。しかし、3回目の接種を受けている者はいませんでした。
  • Charlson併存疾患指数の中央値は6で、これは推定10年生存率2%に相当します1
  • 日本で採用されているCOVID-19の重症度分類2によると、軽症(酸素吸入を必要としない)34名、中等症(酸素吸入を必要とする)12名、重症の患者はいませんでした。
  • 1名を除くすべての患者において、ベクルリーは症状発現から2日以内に投与され、3日間投与されました。
患者の人口統計とベクルリー治療

9. 特定の背景を有する患者に関する注意(抜粋)
9.8 高齢者

患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。一般に生理機能が低下しており、既往歴や合併症を伴っていることが多くみられる。

  1. Charlson ME, et al.: J Chronic Dis. 1987;40(5):373-83. doi: 10.1016/0021-9681(87)90171-8.
  2. 令和4年度厚生労働行政推進調査事業費補助金 新興・再興感染症及び予防接種政策推進研究事業 一類感染症等の患者発生時に備えた臨床的対応に関する研究 新型コロナウイルス感染症 COVID-19 診療の手引き 第9.0版. 2023年2月10日発行。 https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000121431_00111.html(2023年3月1日閲覧).
  3. ベクルリー点滴静注用100mg 電子添文2023年5月改訂(第9版).
  4. Takahashi Y,et al.: Short-course remdesivir for healthcare-associated COVID-19: case series from a non-acute care hospital. J Infect Chemother. 2023 Jan;29(1):95-97. doi: 10.1016/j.jiac.2022.08.025. Epub 2022 Sep 13. 本論文の著者の一部はギリアド・サイエンシズ社のアドバイザリーボードを務め、講演料を受け取っています。

累積生存率の変化

  • 緩和ケア・内科病棟に入院していた6名が死亡しましたが、いずれも70歳以上(a)で進行性の悪性腫瘍を有している患者でした(b)。
累積生存率の変化

Takahashi Y,et al.: Short-course remdesivir for healthcare-associated COVID-19: case series from a non-acute care hospital. J Infect Chemother. 2023 Jan;29(1):95-97. doi: 10.1016/j.jiac.2022.08.025. Epub 2022 Sep 13. 本論文の著者の一部はギリアド・サイエンシズ社のアドバイザリーボードを務め、講演料を受け取っています。

発症時、14日目、28日目のPerformance Statusスコア

  • 本コホートでは、発症時、14日後、28日後のPSの中央値は3(限られた自分の身の回りのことしかできない。日中の50%以上をベッドか椅子で過ごす)1でした。
  • ほとんどの患者は28日間にわたって同じPSを維持し、生存している患者の中でPSが2以上低下した者はいませんでした。
  1. Common Toxicity Criteria, Version2.0 Publish Date April 30, 1999. http://ctep.cancer.gov/protocolDevelopment/electronic_applications/docs/ctcv20_4-30-992.pdf. JCOGホームページhttp://www.jcog.jp(2023年3月1日閲覧).
  2. Takahashi Y,et al.: Short-course remdesivir for healthcare-associated COVID-19: case series from a non-acute care hospital. J Infect Chemother. 2023 Jan;29(1):95-97. doi: 10.1016/j.jiac.2022.08.025. Epub 2022 Sep 13. 本論文の著者の一部はギリアド・サイエンシズ社のアドバイザリーボードを務め、講演料を受け取っています。

有害事象

  • 3名の患者に一過性の肝機能検査値異常、1名の患者に一過性の腎機能異常、1名の患者に点滴部位の痒みが認められましたが、概して良好な忍容性を示しました。

まとめ:リスクの高い患者には早期投与を

監修:藤田医科大学医学部微生物学講座・感染症科 教授 土井洋平先生

  • 日本でパンデミックの初期に行われた全国規模の分析では、65歳以上のCOVID-19患者の院内死亡率は11.5%でした1。特に急性期病院以外ではCOVID-19関連死亡の大部分を占めており、米国および日本の長期介護施設居住者の推定死亡率は約16%です2
  • 重症化および死亡のリスクが高いCOVID-19患者において、早期の薬物治療は転帰を著しく改善させることが示されています3~7。しかし、急性期病院以外では、利用できる資源や薬剤に制限があるため、こうした戦略の実施は困難な場合があります。
  • ベクルリーはCOVID-19治療薬の中で唯一、制限なく入手できる薬剤であったため、検査で陽性と診断後に、早急に治療を開始できました。
  • 本コホートで生存している患者の中でPSが2以上低下した者がいなかったことから、回復した患者の機能レベルへの悪影響は最小限であったことが示唆されます。
  • 有害事象として、一過性の肝機能検査値異常が3名、一過性の腎機能異常が1名、輸液部位の痒みが1名に認められました。
  • 本研究は対照臨床試験ではないため、未治療の患者がいないことが大きな制約です。
  1. Asai Y, Nomoto H, Hayakawa K, et al. : Gerontology, 2022:1–11.
  2. Abe K, et al.: Healthc Pap 2021;20(1):78–81.
  3. Gottlieb RL, et al.: N Engl J Med. 2022;386(4):305–315.本試験はギリアド・サイエンシズ社より支援を受けています。本論文の著者の一部はギリアド・サイエンシズ社の社員です。
  4. Weinreich DM, et al.: N Engl J Med 2021;385, (23):e81.
  5. Gupta A, et al.: N Engl J Med 2021;385(21):1941–50.
  6. Hammond J, et al.: N Engl J Med. 2022;386(15):1397–1408.
  7. Jayk Bernal A, et al.: N Engl J Med. 2022;386(6):509–520.

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